練習のためのヨガ哲学。渡米の前にご一読ください。 by Yoko Fujiwara

「ヨガ・スートラ」
いわゆるヨガの教典ですね。
実は私も実際にヨガマットの上でアーサナするヨガを始める前に、
ヨガって何だ?ってこの本を買って読んでみたのを覚えています。

“Before you’ve practiced, the theory is useless,
After you’ve practiced, the theory is obvious.”
(練習を始める前、理論は使い物にならず、
練習を重ねた後、理論はあからさまになる。)

70年代に最初のアメリカ人の一人としてアシュタンガ・ヨガを学んだデイビッド・ウィリアムズの言葉です。

ごもっとも。
当時、どうにか頑張ってヨガ・スートラを読み進めようと思っても、
頭っからつまずいてしまってなかなか前に進まなかった記憶があります。

もちろんこの大きな理由のひとつには、どうやってヨガ・スートラを読むかのコツを知りませんでした。
しかしながら、読み方のコツを知っていたとしても、どれだけ理解できてたかは定かではありません。
ヨガ・スートラはサマディ(解脱)に至るまでの説明書のようなものです。
その対象となるのは、私たち自身の意識や感覚等となり、
ヨガの練習がその道具として使われていくのです。

後々、ヨガ・スートラを読んで気付いたことは、
ここに書いてあることは、どこか遠くの誰かの物語ではなく、
今現在私の頭の中で起こっていることが記されているということでした。
サマディはいろいろなレベルで起こり、それらは私たち一人一人にも起こり得るのです。

大したことないようですが、これは大きな発見でした。
これを機に、私のヨガ・スートラの読み方が変わりました。

私自身、現実的、及び論理的に物事を理解することを好むため、
単に練習続ければサマディに到達できるなんて言われても納得いかないというのが正直な気持ち。

どうして練習するのか。どうやって練習するのか。どのように練習が効くのか。
ヨガ・スートラにはそういうことがちゃんと記されているのです。
一般のヨガクラスではなかなか勉強できないヨガ・スートラ。
また、それらはあまりにもシンプルに記述がされているため、
先ほども述べた通り、読み方のコツ、及び補足がないとなかなか読みづらいでしょう。

現在では解説付のヨガ・スートラが多種出版されています。
これらの解説を参考に、まずは第1章、第2章を中心に読み深めるといいでしょう。

“99% Practice, 1% Theory”
(99%練習、1%理論)

アシュタンガ・ヨガのグル、シュリ・K・パタビ・ジョイス師の言葉です。

なんだかんだ言ってきましたが、私も練習を続けてきて思うのは、やっぱり結局は練習あるのみなのです。
私にとってヨガ哲学の勉強は、自分がやっている練習の方向性が間違っていないかの確認手段で、
決して哲学書に書いてある道を歩くように心がけている訳ではありません。

本トレーニングは3週間の集中講座となるため、心身ともに大きな変動があると予想されます。
日々の練習、及び自身の意識の変化と照らし合わせながらヨガ・スートラを読むことにより、
各自のヨガの方向性を確認していきます。

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